世界初?ワンダーラボがコアバリューを数式で定義した理由。

2020年2月12日に、花まるラボはワンダーラボに社名を変更しました。そのタイミングで、ミッションやコアバリュー、コーポレートロゴなど、いわゆる「CI」と呼ばれる部分についても改めてメンバーで議論を重ねて、再定義いたしました。

ワンダーラボのミッションは、
「世界中のこどもが本来持っている、知的なわくわくを引き出す」こと。

そのために、シンクシンクやワンダーボックスなど、子どもの意欲を引き出し、感じて、考えて、つくり出す・表現することが大好きになるための教材やコンテンツを制作・運営しています。

そして、このたび、コアバリューを「数式」と「言葉」の両面から定義しました。おそらく世界初となる数式コアバリュー(もし他に例があれば是非教えてください!)が、こちらです。

ワンダーラボ 数式コアバリュー

青山学院大学助教・松田能文先生に監修いただいた、さらに詳しい説明はこちらからご覧いただけます。

今回は、コアバリューを数式で定義するに至った背景をお話しします。

曖昧で不確実な「言葉」の世界。

まずはじめに、これは決して、奇を衒ったり、数学に対する造詣の深さを見せつけようなどと考えたわけではありません。ワンダーラボに算数・数学好きが集まっているのは事実ですが、社員の中でもこれを完全に理解できる方が少数派です。

議論を進める中での問題意識として、弊社がこれまで大切にしてきた文化を、抽象化し、短い言葉・少ない項目で表現しようとすると、どうしても「ありきたり」な表現に寄ってしまったり、人によって捉え方が大きく異なるほど言葉の定義が曖昧になってしまったり、という難しさがありました。

また、ワンダーラボは国籍も異なる多様な仲間が集まっている環境のため(27名のメンバーが7ヶ国から集っています)、そもそも言語で全てを正確に伝えるのが難しいという側面もありました。

数式を意識すると、議論が深まる。

そこで、「数式で表した場合、どうなるだろう?」と考え始めたところ、議論が驚くほど深まり、表面的な言葉の奥にある、私たちが大切にしていることが一気に視覚化されていったのです。

例えば、「挑戦することって大事」と、誰もが思っていたとします。しかし、何を挑戦と捉えるか、挑戦すれば何でも良いのか、など、突き詰めていくと、実はその捉え方は千差万別であることに気がつきます。

数式コアバリューの場合、挑戦=”challenge”の定義、challengeとは何なのか、その何を評価すべきなのか、などを細かく議論しないとそもそも数式にできないので、いつでもそこに立ち返ることができます。

数式そのものの意味を全員が理解できなくとも、そこに至るまでの議論の過程を文章にし、共有することで、言葉だけで定義するよりも、一段も二段も、共有のレベルが深まるという良さがあります。

算数やSTEAM教育領域をカバーする、ワンダーラボのオリジナリティーを表現できる。

また、独自性・Uniquenessという観点においても、弊社は代表の川島が算数オリンピックの問題作成者であり、会社としても数理的な思考力の基礎となるような教材の制作を数多く手がけていることから、会社の持つユニークさを体現するようなものとなりました。

ミッションやコアバリューは、その会社を如実に表現したものとなるため、この点からも弊社の場合は数式コアバリューはとても価値のあるものとなりました。

これからもワンダーラボは、社員一人ひとりが常に価値観を更新し、想像し尽くし、挑戦を続けていく組織でありたいと考えています。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

※社名変更と同時にリリースした“STEAM教育時代の新しい通信教育”【WonderBox(ワンダーボックス)】もぜひご覧ください。

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川島 慶

代表取締役 CEOワンダーファイ株式会社
東京大学大学院工学系研究科修了。算数・数学好きが昂じて学生時代よりベストセラー問題集「なぞぺ〜」の問題制作に携わる。2007年より花まる学習会で4歳から大学生までを教える傍ら、公立小学校や国内外児童養護施設の学習支援を多数手掛ける。2014年株式会社花まるラボ創業(現:ワンダーファイ)。 開発した思考力育成アプリ「シンクシンク」は世界150カ国200万ユーザー、「Google Play Awards」など受賞多数。2020年にSTEAM領域の通信教育「ワンダーボックス」を発表。算数オリンピックの問題制作に携わり、2017年より三重県数学的思考力育成アドバイザー。