「シンクシンク開発者に保護者が突撃!『わが子の思考力を”もっと”引き出すには?』 」イベントレポート

2021年1月23日に開催したオンラインイベント「シンクシンク開発者に保護者が突撃!『わが子の思考力を”もっと”引き出すには?』 」のレポートをお届けします。

当日は、シンクシンクユーザーの保護者の方を2名パネリストとして迎え、弊社代表の川島が皆様の質問にお答えしました。「うちの子もそうだ!」という”あるある”の共有や、「今度はこういう声かけをしてみようかな?」という気づきなどユーザーの皆様のシンクシンク体験をより良いものにする一助となれば幸いです。

シンクシンク開発者・ワンダーラボ代表 
川島慶(かわしま けい)

2007年から思考力問題集「なぞぺー」シリーズの問題作成に関わり、学習塾「花まる学習会」で4歳から大学生までを教える傍ら、ラオスやカンボジア、フィリピンのセブ、東ティモールなどアジア中の学校や児童養護施設の学習支援を多数手掛ける。2014年にワンダーラボを立ち上げ、シンクシンクを開発。
算数オリンピックの問題制作や三重県の数学的思考力育成アドバイザー、また過去に東京大学の非常勤講師も務める。

目次

Q1. 「間違えるからやりたくない、満点が取れないからやりたくない」と子どもから言われた時の対処方法が知りたいです。
Q2. 得意な問題ばかりどんどん進めて、自分が得意でない問題は全くやろうとしません。これでいいのでしょうか?
Q3. じっくりと問題を考えるということが苦手なようで、難しい問題に当たると毎度適当に答えています。
Q4. あまり習慣化して取り組んでいないので、やりたいという時と、そうでない時のムラがあります。
Q5. 中学受験で実際に出題されたシンクシンクの問題を教えてほしいです。
Q6. 日頃から出来る思考力を高める声かけや取り組みなど、親が意識すべきことを知りたいです。
Q7. 最近プログラミングの塾とか色々ありますが、他の会社が出してるアプリとの違い、売りはどの辺でしょうか?

シンクシンクユーザーの保護者の方を2名パネリストとしてお招きして、質疑応答にご参加いただきました。

高妻さん
子どもは7歳と4歳と2歳の全員男の子で、シンクシンクは長男が年中の頃からやっている。シンクシンク使用歴は3~4年。

村上さん
子どもは上が女の子で小学3年生、下が男の子、5歳で年中。娘が年長ぐらいの時に出合い、すっかりはまって、今は下の子も一緒にやっている。シンクシンク使用歴は3年ほど。

ユーザーの皆様から事前にいただいたご質問の中から多かったものを5問と、高妻さん・村上さんからも1問ずつ、合計7問お答えしていきました。

Q1. 「間違えるからやりたくない、満点が取れないからやりたくない」と子どもから言われた時の対処方法が知りたいです。(小1の保護者)

間違えた時って知的わくわくのチャンスなんです。

川島:「これをやったら劇的に効きます」といった魔法のひとことがあるわけではないのですが、とにかく子どもには「プラスの言葉のシャワー」を何度でも浴びせていただきたいなと思っていて、その参考となる「わくわくのひけつ」というものをご紹介します。

川島:私たちの研究授業の冒頭で、毎回子どもたちに伝えているものなのですが、これは教室で守ってもらうルールというより「子どもたちへの願い」として提示しています。

保護者の方にもこちらはお伝えしていて、ご家庭でも「間違えることはこわくないよ」と何度でも言ってもらうことで、教室で子どもたちが間違えることを前よりも恐れなくなったといった変化が見て取れました。

村上さん:うちの子は算数があまり得意ではなかったんですが、補習でみっちり教えてもらったらそこから解けるようなって「間違えてよかった!」と思えるようになりました。日頃から、「間違えたりわからないことはチャンス!」という刷り込みを一生懸命しています。

川島:素晴らしいですね。間違えた時って知的わくわくのチャンスなんです。何度でも、「間違えることは悪いことじゃないんだよ」と言ってあげてほしいなと思います。

Q2. シンクシンクや川島先生の「10歳までにシリーズ」(書籍ドリル)が大好きな息子です。得意な問題ばかりどんどん進めて、自分が得意でない問題は全くやろうとしません。これでいいのでしょうか?また、どのように声がけをすればいいですか?(小1の保護者)

「好き」「得意」を伸ばすことが、その子らしい幸せにつながる

川島:まず得意な問題があって、それをやっているということは素晴らしいことなんだよと言いたいですね。テストでまんべんなくいい点数を取るとか、言われたことをちゃんと再現するということ以上に、その子の「好き」や「得意」だったり、出会ってきた縁などが積み重なって、それが将来仕事でも価値を生み出すし、何よりその子らしく幸せに生きていけることに繋がると思っています。好きなことがあってそれをやれているということ自体がものすごくいいことです。

ただ、保護者として「子どもにはいろんなことに興味を持って可能性を広げてほしい」と思われるのもまた当然だと思います。このようなお悩みをお持ちの方は多いですが「何かを好きになる」「他のことに興味を持つ」ということを、保護者も一緒になって楽しむように心がけるとうまくいくことが多いと思います。

高妻さん:うちも長男は好きなことばかりやりがちなんですが、1~2年生の時は「恐竜が好き」と言っていて、でもいまは「星が好き」といった感じで、いつの間にかその興味が移り変わっています。気づいたらその興味の範囲が広がっていくので、とりあえずその「いま好きなこと」をやらせる・そのままいいところを伸ばすのはいいんじゃないかなと思いました。

村上さん:自分が社会に出ても、何かすごく突出した特技や技能を持った人のほうが素敵だなと思いますし、そういう人の集まりでチームができるとうまくいくように思います。「好き」とか「得意」を親が認めてあげて伸ばすのが先で、苦手なことは後から考えようか、という感じでいいと思っています。子どもって「これは苦手!」と思うとやりたくなくなるので、私は「苦手ではなくて、やっていないだけだよ」と言うようにしています。

川島:そうですね、子どもを取り巻くいろんな環境で、例えば「何かできなかったことで恥をかいた」とか「〇〇くんはこれができて、ぼくはこれができない」と感じることが特に小学生くらいになると増えてきます。そんな時は、何度でも先ほどご紹介した「わくわくのひけつ」のように、プラスの言葉で肯定していただければなと思います。

Q3. まだ子どもが小さいこともありますが、じっくりと問題を考えるということが苦手なようで難しい問題に当たると毎度適当に答えています。私もその姿にイライラしてしまい、最近はすぐに解き方を教えてしまいます。(年中の保護者)

小学校低学年までは、「直感」を伸ばす時期でもいい

川島:年中という年代でしたらそれが当然だと思います。小学校低学年くらいまでは「いま適当に解いちゃっているな……」という瞬間があったとしても、それはその子が真剣に取り組んでいないというわけではありません。例えば問題の意味がわかっていなかったり、自分が周りからわかっていないように見られることが恥ずかしかったりと、適当に答えているのにも理由があります。そして、適当ではなく「直感」で答えている、ということもあります。

中学受験生を教えてきた経験から、理屈を持って「こうだ!」とわかる、そうした「ひらめき」を伴う思考をするようになるのは小学校高学年から中学生になってからで、それまではかなり「直感思考」であると感じています。

ここで「直感」と「ひらめき」という言葉について、少しお話させてください。どちらも似たような意味で使われると思いますが、脳科学の世界では定義が分かれているようです。これは海馬の研究で知られる東大の池谷裕二先生から聞いた話なのですが、「直感」というのは「なんとなくこうだ」と思うことで、「ひらめき」というのは理屈を持って「これがいい」「これはこうだ」と言葉で説明できることだそうです。その「ひらめき」が伸びるのは中学生以降で、特に小学校低学年までは「直感」が伸びる時なので、適当に答えていることもあながち悪いことではないと思います。

長い目で見れば、いつの間にかできている

高妻さん:うちの子がシンクシンクをやっている時に、例えば下の子は問題がわからずに結構適当にやっていると思うのですが、急にできるようになる日があったり、あと長男も急に点が伸びる時があったりします。自然と理解するタイミングがあるんだろうなと思っています。

だからまだ年中さんだし、とりあえず今は適当にやっていても、そのうち解けるようになる瞬間が来るので見守っていくといいかもしれないですね。

村上さん:うちも下の子(年中)が質問者と一緒なのでこの悩みがよくわかります。本当に「適当に答えているなぁ」という時もたくさんあります。でも、やっていくうちに瞬発的に考えることやデジタルに慣れていっていると思って、長い目で見ています。

Q4. あまり習慣化して取り組んでいないので、やりたいという時と、そうでない時のムラがあります。(村上さん 小3女の子、5歳男の子)

ムラがあっても、長く続けることに意味がある

村上さん:うちの子はあまり習慣としてシンクシンクに取り組んでおらず、やりたい時は毎日やるし、そうでない時は2~3週間やらなかったりするんですけど、そういうムラはあっても大丈夫なのかということが知りたいです。姉弟なので、一人は親のスマホ、もう一人はタブレットでやるので、親のスマホが渡せないこともあってなかなか毎日できないんですよね。

川島:ありがとうございます。やりたくなくなる、完全に忘れるとなったら、私たちのコンテンツの力不足だと思うんですけど、ムラがありながらも数年やり続けてくれているというのは、一ヶ月や半年間毎日やっている場合よりも、結果的には良い効果が続いていると思います。ただ確かに、まるで歯磨きのように生活の中で習慣化するということの良さもあるため、私たちがシンクシンクの機能としてつけているものがあります。

川島:指定の時間にスマホやタブレットにアラームが鳴るように設定できます。これ意外と知られていないんですよね。保護者モードから設定できて、曜日や時間を選べます。

Q5. 中学受験で実際に出題されたシンクシンクの問題を教えてほしいです。(小1、小3の保護者)
中学受験を考えています。シンクシンクの中で特にこれはやった方が良いものがあれば教えてください。(小4の保護者)

見たこともない問題を乗り越える楽しさを、シンクシンクでたくさん知ってほしい

川島:これは長く喋ってしまうかもしれません。シンクシンクと非常によく似た問題が出た例があったので、それをご紹介させてください。

川島:筑波大附属中学、国立で非常に難易度が高い学校なんですが、2020年の入試でシンクシンク の「アトラニアス」という算数オリンピックのような問題を出すカテゴリがあるんですが、そこで出題した問題に非常によく似た問題も出ていました。

立体が壁を通り抜けるかどうか、という問題ですが、シンクシンクの中では、まず普通に壁を通り抜けるかどうか(「とおる?」という問題)、次に立体をどう回転させたら壁を通り抜けるか(「とおりぬけ」という問題)、最後にどの壁を壊せば通り抜けられるか(アトラニアス)、というように、だんだんレベルアップしていけるように設計しています。
ただ、「同じ問題が出る」というのは実はあまり重要なことではありません。中学受験の最高峰の問題はこういう問題だというのをご紹介します。

川島:上位校であればあるほど、「今まで見たことのないような問題が出る」というのが重要なポイントです。こうした、習ったことのない問題に立ち向かう上で大事なことは、「これどういうこと?……あ!そういうことか!」とわからない問題を乗り越える快感、楽しさにどれだけ触れてきているか、ということです。シンクシンクに多種多様な問題がいれてあるのもそうした意図からです。その中でもプレミアムコースでは、中学入試とも関連が高そうな問題を比較的多く扱うようにしています。

Q6. 日頃から出来る思考力を高める声かけや取り組みなど、親が意識すべきことを知りたいです。(小1の保護者)
図形に強くなって欲しいと思っています。シンクシンク以外に何がオススメですか?(小2の保護者)

川島:先程の「間違えることはこわくない」といった肯定的な言葉を、何度もたくさんしてあげることが大切です。ちょっといつもと違う解き方をしたといった、その子ならではの取り組み、そういうことをちゃんと認めてあげたいですね。その子なりのやり方、考え方といったものをその子が見つけた時に、それを肯定してあげるというのが、かなりいいことかなと思います。

私たちは「知的わくわく」というのはこういうことだよ、というのを言語化していまして。

川島:こういった瞬間が私たちの考える「知的なわくわく」です。答えが合っているかどうか、わかっているかどうかということよりも、「知的なわくわくを感じて笑顔になってもらう」ことが大切だと思います。

川島:図形に強くなってもらうためにシンクシンク以外に何がおすすめですかという質問への解答として、私も雑誌のそういった特集でいくつか挙げさせてもらったことがあるので、それと、他にも多くの有識者の方がおすすめしていて、自分もいいなと思うものをいくつか紹介します。平面図形的なものは「ペンギンオンアイス」「対戦ペントミノ」「KATAMINO」「ウボンゴ」ですね。立体図形的なものだと「カプラ」「ペンタキューブ」「マグフォーマー」「キューブパズラーPRO」がいい素材だなと思います。

でも先程申し上げた通り、やっぱり「好き」とか「意欲」ということがものすごく大切です。今は動画サイトなどの刺激がどんどんお子様を取り巻いている環境で、味付けの薄いものを子どもたちが楽しいと思うこと自体が難しい面もあるかもしれません。私や他の人が勧めたからといって、それを与える必要は全くありませんが、一緒に選びに行って、手にとって、「これやりたい」となればぜひやってもらってください。

あとはやっぱり外遊びや意欲を伴った実際の経験に勝るものはありません。今はなかなかやりづらい状況ではあると思いますが、状況が落ち着いたら、ぜひ積極的に行っていただきたいですね。

Q7. 最近プログラミングの塾とか色々ありますが、他の会社が出してるアプリとの違い、売りはどの辺でしょうか?(高妻さん 小2、年中、2歳の男の子)

「考えることの楽しさ」という最高の旨みを引き出す味付け

高妻さん:最近プログラミングの塾や他社のアプリとかいろいろあると思うんですけど、シンクシンクとの違いや、売りとかあったら川島さんからお伺いしたいです。

川島:「子どもへの理解」と、例えば算数オリンピックの問題を作ってきたような「コンテンツ力」、あと「開発力」、これらを全部会社の中で持っている、というのはなかなかないと思います。それがクオリティの差に必ず出ていると感じています。

私たちは味付け、刺激にとてもこだわっています。例えるなら、刺激の強いものに慣れて薄味のものがわからなくなるようなことはもったいないと思っています。

今、子どもを取り巻く刺激というのは、良くも悪くも強くなっています。例えば昔ならインベーダーゲームで熱狂できたとしても、今の子どもたちには他の選択肢があります。同様に、これまで通りの素朴な教材で子どもたちがすごく興味を持ちやすいか、というとちょっと難しさがあるとは思うんです。今の子どもたちを引きつけることができて、且つ過多にならない味付けを常に追求しています。

私たちはゲーミフィケーションやデザインも含めて、子どもたちの奥底に潜む考えることの楽しさという最高の旨みに気づいてほしい、考えることの楽しさを掴んでほしいと願って開発しています。そのため、過度な刺激、例えば過度な報酬や過度なゲーミフィケーションそれ自体を目的に子どもたちに楽しんでもらうということは極力避けています。結果としてそれが良質な問題や細やかなステップとしてあらわれていて、そこに実際に子どもが食いつくというところで差が分かれていると思います。

終わりに

今回のイベントが、シンクシンクのより効果的な使い方や、お子様への有意義な声かけなど、保護者の皆様にとって少しでも参考になれば幸いです。

シンクシンクは、研究授業を通して子どもたちと共に開発してきたものです。そして、これからもシンクシンクはさらに進化します。メンバー全員で子どもたちの目線に寄り添い、保護者の皆様の期待に応えられるよう、これからも全力で開発し改善していきますので、さらにグレードアップしたシンクシンクをぜひ楽しみにしていてください。

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ワンダーラボ
ワンダーラボは、子どもたちが本来持っている「知的なわくわく」を引き出すためのコンテンツを開発・運営しているEdTech(教育テック)のスタートアップ企業です。算数オリンピックの問題制作なども手がける、思考力教材製作のパイオニアです。 2017年にリリースした「シンクシンク」はこれまでに100万人の子どもたちが使い、Googleによって世界TOP5に選ばれるなど、世界で高い評価を得ています。 2020年2月、社名を花まるラボからワンダーラボに変更し、STEAM教育領域の家庭学習教材「WonderBox」を発表しました。